愛知の医療に関する現状- 3件

愛知県内の救急医療体制

愛知県内の救急医療体制

交通事故が多いため、救急医療に関するニーズが高いとされる愛知県。
地域構想においても救急医療体制が3本柱の内の1つとして取り上げられるなど、体制を整えるべく様々な部分に関する整備が急がれていますが、実態としてはどうなのでしょうか。

今回は、愛知県内における救急医療の体制について、少しお話をさせていただきます。

救急医療における愛知県内の現状

愛知県では、有識者会議において、救急医療体制を確保するために、救急医療に関して様々な課題を特に抱えている5つの医療圏を対象に、医療連携に関する提言が過去に行われています。

その提言を元にして、地域医療再生計画が策定されているわけですが、この計画からは対象地域が2医療圏に限定されてしまったため、課題を抱えているその他の一部地域が対象外となっている、という事実は見逃せないところです。

例えば、対象外となった知多半島医療圏での救急搬送件数は、圏外への搬送件数が多く、全体では25%もが圏外の機関に搬送されているという事実もあります。
また、県域では結ういつの救命救急センターとして半田市立半田病院が受け入れとして約4割程度を占めているのですが、同病院にも受け入れに限界があることから、重症患者の圏外搬送件数がより増加してしまっています。

救急医療における愛知県内の課題

県内の救急医療における課題としては、上記における問題が一つあります。
半田病院を含め、いつでも対応することが可能な医療機関の増設、急性期を過ぎた患者を受け入れるための病床整備などを行い、救急患者の受け入れ体制を確保する必要があるのです。

また、急性期を過ぎた方が在宅療養に移行するまでの医療提供体制を構築すること、在宅療養患者が地域医療を適切に受けられるよう、医療連携を含め、そのネットワークや流れを整備すること、災害拠点における発電装置の整備促進や、震災時の非常に関する対応を整備する必要などが、当面の課題として取り上げられています。

課題に対する今後の対策

上記課題に関する同県の今後の具体的な対策に関しては、何点か要点があるため、少しまとめてみました。

・知多半島において医療連携を促進することにより、緊急性の高い疾患に対しても迅速に対応することが可能なネットワークの構築。
・各地域における在宅療養患者が地域医療を安心して受けられるよう、病床を整備する事によって、医療全体の流れを整える。
・災害拠点病院の体制を強化し、万が一にも安心できる地域医療体制構築の推進。
・知多半島医療圏における救急搬送件数のうち、圏内病院への搬送割合を5%以上のアップ
・災害拠点病院のうち、自家発電装置が72時間以上かどう可能な病院を、現時点より11拠点増設する。

愛知県内の病床数の現状

愛知県内の病床数の現状

病床数の現状がどうなっているのかを把握することで、その地域の現状や特徴をある程度把握することができます。
基本的に医師の転職時にこのような情報を十分に調べている人は少ないかもしれませんが、ご自身が後になってから後悔のない転職をしようと思えば、状況を十分に把握しておくことは間違いなく大切になってきます。

そこで、今回は愛知県より発表されているデータを元に、病床数の現状について少しご紹介したいと思います。

愛知県内の医療圏ごとの病床数

愛知県内の医療圏ごとに、病床数がどうなっているのかをここで少しみていきましょう。

【平成28年度 病床機能報告結果より】
・名古屋医療圏、全体病床数(21,366)
・海部医療圏、全体病床数(2,068)
・尾張中部医療圏、全体病床数(892)
・尾張東部医療圏、全体病床数(4,618)
・尾張西部療圏、全体病床数(3,826)
・尾張北部医療圏、全体病床数(5,282)
・知多半島医療圏、全体病床数(2,951)
・西三河北部医療圏、全体病床数(2,644)
・西三河南部東医療圏、全体病床数(2,306)
・西三河南部西医療圏、全体病床数(4,833)
・東三河北部医療圏、全体病床数(470)
・東三河南部医療圏、全体病床数(6,768)
・同県全体、全体病床数(58,024)

全体として、医師同様に病床数が不足しており、整備をすることが求められている現状ですが、中でも高度急性期、回復期における病床数が顕著に不足します。
各都道府県は、構想区域ごとに協議の場を設け、必要病床数を達成するために様々な方策を推進する動きをみせており、今後は同県においても改善されていくものと推測できます。

愛知県内の病床数の推移

愛知県内における病床数の推移について、愛知県が公表しているデータを元に、少しお話をしていきたいと思います。

比較としてるデータは過去数年分のものになりますが、全体的なデータの推移としては、基本的にそれほど大きな変化自体はないものと思われます。
ただ、一般病床数、療養病床数ともに増加傾向は見られず、過去数年スパンのデータにおいてはやや数値が低下傾向にありました。
全国の病床数推移と比較してみても、この傾向は基本的に一致します。
全国的にみても、病床数の不足が続いており、どの地区も課題としてもっているのではないかという事実が推察されます。

ただ、全国の数値でみたときには明らかな減少傾向がみられるものの、愛知県内だけデータを見てみると、明らかに減少しているとは言えない範囲内での変動であるため、全国的には病床数の不足が続いているものの、同県はその状況かで持ちこたえているとみることもできます。
いずれにせよ、病床数の推移としては、過去数年で見る限りでは、それほど極端に状況が悪化しているわけではないことが分かります。

愛知県内の医師不足の現状

愛知県内の医師不足の現状

全国的な医師不足が叫ばれていますが、その状況に関しては愛知県内においても同様であり、やはり医師不足といった状況に陥っています。
同県の場合は、地域毎による医療格差、名古屋市などの都市部に4割もの医療資源が集中しているといった状況、全国的にも人口がとても多く、増加傾向にあるため10万人対比では医師が不足しているといった現状があります。

そこで、今回は医師不足の現状によって、同県がどのような対応を実施しているのか、その内容について少しご紹介してみたいと思います。

愛知県全体の22%の医療施設が診療制限を実施している

同県全体では、なんと22.4%にあたる医療機関、72か所において何らかの形で診療制限が実施されています。
ただ、これは2015年のデータでありますので、今では更に多くの医療施設が制限を行っているという可能性も否めません。
では何故制限を実施しているのかと言いますと、その理由は医師不足によるものなのです。

診療科ごとでその内訳をみていくと、内科、整形外科、小児科、精神科、産婦人科とが横並びになっているような状況であり、絶対数が少ないとされる診療科であるほど、この状況が差し迫っていることは間違いありません。

愛知県は医師不足を解消するために「地域枠」を実施している

このような状況を改善するために、愛知県では地域枠と呼ばれる制度を実施しています。
この地域枠制度は平成22年度より開始されていますが、同県に所属する義務を医師が負うのは7年間のみとなりますので、この制度を用いたとしても、医師を十分に確保することは難しいと言われています。

そのため、地域枠制度に依存することは難しく、どれだけの人材をこの地に定着させることができるのか、という部分に成否が掛かっていると言えます。
また、地域枠によって育てられた医師は、優先的に同県内の過疎地に配置される制度となっています。

愛知県では特に小児科の不足が目立つ

同県では医師不足を中心とした多くの課題がありますが、中でも県が問題視している1つが小児科医の不足です。

そもそも、現状では小児科を希望する若手が減っていること、小児科医の高齢化が進んでいるため、肉体的な負担が続き、厳しい状況になってきています。
特に初期の救急医療を担う小児科医は圧倒的に不足しています。
初期救急体制の確立も課題となっていますが、この問題を解決しなければクリアすることは非常に厳しいと言えるでしょう。

愛知県では産婦人科医の不足も目立つ

これは全国的な問題ではありますが、国内における産婦人科の医師が不足しているという状況についてはご存じでしょうか。
その背景には、労働環境が過酷な状態になりやすいこと、また、訴訟によるリスクが非常に高い診療科ということで、全国的に減少傾向があります。
また、産婦人科が選択必修になったという事実も、この自体に拍車をかけているものと推測できますが、これは同県においては同じような状況であり、産婦人科医の不足が目立っています。

裏を返せばニーズが非常に高いと言い換えることもできますので、産婦人科医として同県で勤めたいという方には大変お勧めと言えるでしょう。

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